- 2026/02/10
- セキュリティ
モバイル脅威の最新動向:気づかぬうちに情報が流出する時代に求められる「真の対策」とは
Post by : Naofumi Seki
今日のビジネス環境において、モバイル端末は業務に欠かせないツールとなりましたが、それと同時に端末を狙う脅威はかつてないほど高度化・巧妙化しています。従来のセキュリティ対策だけでは防ぎきれない最新の脅威動向と、企業が今すぐ取り組むべき対策について、解説します。
モバイルを取り巻く「4大脅威」:安全神話の崩壊と巧妙化する手口
現在、モバイル端末が直面している主なリスクは大きく分けて4つあります。これらは単なる攻撃の入り口に過ぎず、最終的には認証情報の窃取や不正送金など、重大な被害を引き起こすきっかけとなっています。
- OS脆弱性の悪用と「iOS安全神話」の現実 「iPhone(iOS)なら安全」という考えが根強くありますが、実際にはiOSでも毎年多くの脆弱性が発見されています。驚くべきことに、モバイルで発生したゼロデイ脆弱性のうち、iOSが80%を占めているというデータも存在します。OSの種類を問わず、脆弱性を突いた攻撃への警戒は不可欠です。
- ネットワーク攻撃:身近に潜む「あくまの双子」 リモートワークの普及に伴い、公共のWi-Fiを利用する機会が増えたことで被害が拡大しています。特に巧妙なのが「あくまの双子(Evil Twin)攻撃」です。これは正規のアクセスポイントを偽装し、ユーザーを偽のWi-Fiルーターに接続させて通信内容を傍受する手法です。Wi-Fiの名称は任意に設定できるため、攻撃者は本物そっくりの偽ポイントを簡単に構築できてしまいます。

- 巧妙化するフィッシング(スミッシング・クィッシング) 生成AIの活用により、フィッシングメールの日本語は極めて自然になっており、人間の目で見極めることが難しくなっています。また、QRコードを悪用して偽サイトへ誘導する「クィッシング(Quishing)」も深刻です。QRコードは目視でURLを確認できないため、セキュリティリテラシーが高い人でも騙されるリスクがあります。さらに、スマホの画面はPCに比べて小さく、送信元やリンク先の確認が不十分になりがちという弱点も突かれています。
- 不正アプリ:公式ストアに潜む罠 「公式ストアのアプリなら安心」という常識も揺らいでいます。2023年には、公式ストアで配布されていた60種類以上のアプリに「ゴールドソン(Goldoson)」というマルウェアが混入していたことが判明しました。これらは累計1,000万回以上ダウンロードされ、端末情報の窃取やバックグラウンドでの不正な広告実行によるバッテリー消費などの被害をもたらしました。
なぜ今「モバイルアプリ診断」が急務なのか?変化する法的・国際的情勢
今後、モバイルアプリに対するリスク管理はさらに重要性を増します。その背景には、2つの大きな外的要因があります。
- 「スマホソフトウェア競争促進法」によるリスク増大: 2025年12月に施行されたこの法律により、公式ストア以外からもアプリのインストールが可能になります。利便性は向上しますが、審査の行き届かない有害なアプリが紛れ込むリスクも高まります。企業は「どのアプリを許可するか」という明確なルールと、それをチェックする仕組みを整えなければなりません。

- 国際的な指針(NIST SP 800-124 Rev.2): 米国の指針では、モバイルアプリのリスク審査や、MTD(Mobile Threat Defense)を活用した継続的なリスク把握が推奨されています。アプリの権限が妥当か、通信が安全かといった点を継続的に診断することが求められています。
最新の防御ソリューション:MTDによるリアルタイム対策
これらの巧妙な脅威に対抗するために有効なのが、MTD(モバイルスレッドディフェンス)です。
MTDは、機械学習を用いたリアルタイムの振る舞い検知を特徴としています。これにより、未知の攻撃や、端末がオフラインの際でも脅威を検知することが可能です。 特に重要なのが「アプリ診断機能」です。これはインストールされた全アプリを分析し、以下のような特性をあぶり出します。
- アドレス帳へのアクセス権限を要求しているか。
- どこの国やサーバーと通信を行っているか。
- 画面録画を行うアプリが含まれていないか。
これにより、管理者は会社のポリシーに違反している端末やリスクのあるアプリを即座に特定し、対策を講じることができます。
実効性のある対策へ:可視化から始めるセキュリティ
モバイル端末からの情報流出は、企業の信頼を大きく揺るがす事態を招きます。法改正や攻撃手法の変化に備えるためには、端末内の不審な動きを動的に検知し、継続的に評価できる体制の構築が不可欠です。
まずは、自社のモバイル環境にどのようなリスクが潜んでいるかを可視化することから始めるのが推奨されます。意図しない外部通信を行っているアプリや、過剰な権限を持つアプリの有無を把握することは、現代のモバイルセキュリティにおける極めて重要な第一歩となります。サイバーリーズンでは、無料でアプリ診断付きのPOCを行っています。

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