情報処理推進機構(IPA)が発行する「中小企業向けセキュリティガイドライン」でも指摘されている通り、サイバー攻撃は企業の規模を問わず、あらゆる組織が標的となっています。特に、大企業に比べてセキュリティ対策が手薄になりがちな中堅・中小企業は、攻撃者にとっての格好の標的となり、重大な事業リスクに直結する可能性をはらんでいます。

本稿では、IPAのガイドラインでも特に重要視されている「エンドポイントセキュリティ」、そしてその進化形である「EDR(Endpoint Detection and Response)」に焦点を当て、中堅・中小企業が今なぜこれらの対策を講じるべきなのか、その導入メリットを解説いたします。

IPAが提唱するエンドポイントセキュリティとEDRの役割

エンドポイントとは、PC、サーバー、スマートフォンなど、ネットワークの末端に接続された機器を指します。そして、エンドポイントセキュリティとは、これらの機器をマルウェア感染や不正アクセスから保護するための対策の総称です。

これまでのセキュリティ対策は、企業のネットワークの境界線で防御する「境界型セキュリティ」が主流でした。しかし、テレワークの普及に伴い、従業員が社外にPCを持ち出す機会が増加した現代においては、境界線のみの防御では不十分です。

IPAのガイドラインも、テレワークにおけるリスクとして「社外に持ち出したPCのセキュリティ対策」の重要性を強調しています。社外に持ち出されたPCは、常時サイバー攻撃の脅威に晒されており、ひとたび感染が確認されれば、それが社内ネットワーク全体に拡大する危険性があります。

ここで、従来の対策を一歩進めるのがEDR(Endpoint Detection & Response)です。

従来のウイルス対策ソフト(EPP: Endpoint Protection Platform)が「侵入を未然に防ぐ」ことに主眼を置くのに対し、EDRは「侵入された後の対処」に特化したセキュリティソリューションです。具体的には、PCの内部挙動を常時監視し、不審な振る舞いやマルウェア感染の兆候を検知します。そして、もし感染が確認された場合は、その感染経路を特定し、影響範囲を調査し、迅速な封じ込めや復旧を支援する役割を担います。

EDRを含むエンドポイントセキュリティ導入の利点

これらのソリューションを導入することで、貴社は以下のようなメリットを享受することができます。

1. 未知の脅威に対する防御力の向上と被害の最小化
従来の対策では検知が困難な「未知のマルウェア」や「ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)」は、日々増加の一途をたどっています。EDRは、AIを活用して不審な挙動をリアルタイムで監視し、未知の脅威にも対応します。万が一感染が発生した場合でも、その振る舞いを詳細に記録することで、被害が拡大する前に迅速な対応を可能にし、事業への影響を最小限に抑えます。

2. 不正アクセスおよび情報漏洩リスクの抑制
IPAのガイドラインでは、情報漏洩の原因として「マルウェア感染」と「不正アクセス」が上位を占めていることが報告されています。EDRは、不正な通信やファイルの改ざんなどを検知し、重要な情報の持ち出しを阻止することができます。これにより、顧客情報や機密情報といった貴社の重要な資産を守るための最後の砦となります。

3. セキュリティ管理業務の効率化
多くの中小企業には、専任のシステム管理者が不在であることが一般的です。エンドポイントセキュリティおよびEDR製品の多くは、クラウド上で一元管理が可能です。これにより、管理者は各PCのセキュリティ状況を俯瞰的に把握することができ、管理工数を大幅に削減し、従業員は安心して本業に集中することができます。

エンドポイントセキュリティ導入のはじめの一歩

「セキュリティ対策の導入は専門的で難しい」と考えになる必要はありません。

IPAのガイドラインには、「まず何から着手すべきか」という具体的なステップが示されています。また、昨今では中堅・中小企業向けにコストを抑え、専門知識がなくても容易に導入できるサービスや製品が多数提供されています。
弊社では中堅・中小企業向けに特化した次世代エンドポイントセキュリティソリューション「Cybereason Simple Security」の提供してます。これまで国内外で数多くの導入実績を持つ弊社のEDR製品「Cybereason EDR」とNGAV製品「Cybereason NGAV」を、それぞれ「Cybereason EDR Simple」「Cybereason NGAV Simple」として中堅・中小企業向けに最適化した上で、単一のパッケージソリューションにまとめて提供します。

Cybereason Simple Securityは、1台分のライセンスから購入可能となっています。そのため小規模な企業や事業所でも必要な分だけのライセンスをコストを抑えて導入し、EDRを中心とした最新のエンドポイントセキュリティ対策をスモールスタートできるようになっております。また、Cybereason Simple SecurityはEDR自動分析サービスによって監視・分析・隔離の完全自動化を実現しているため、これを活用することでEDRを使った24時間×365日の監視体制を、コストと手間を抑えながら実現できるようになっています。

なおCybereason Simple Securityには「Basic」「Advanced」「Premium」の3つのプランが用意されていますが、前項で紹介したEDR自動分析サービスはすべてのプランで追加費用なしでご利用いただけます。

これ以外にもさまざまな導入・運用支援サービスを提供しており、例えば多くの中堅・中小企業ユーザーが苦労される「センサーのインストール作業」をお客さまに代わって行う「センサー展開代行サービス」をオプションサービスとして用意しています。また弊社の製品に関する問い合わせだけでなく、情報セキュリティ全般の困りごとや懸念についての相談を受け付ける「セキュリティサービスデスク」も利用可能です(Basicプランを除く)。

さらには、エンドポイントセキュリティ対策をより強化するための「PCセキュリティ診断」「OSパッチ管理」「Webアクセス制御」「外部デバイス制御」といった各種サービスをセットで提供する「Windows PCプロテクション強化サービス」も用意しています。なおこちらのサービスはPremiumプランで利用できますが、Advancedプランでも有償オプションとして利用可能です。

【製品紹介資料】Cybereason Simple Security
〜1ライセンスから使える中堅・中小企業向けPC・サーバーセキュリティソリューション〜

警察庁の「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢」によると、ランサムウェア被害にあった報告企業の統計を見ると、実に7割以上が中小企業からの報告となっています。また、ランサムウェアの被害企業を業種別にみると、製造業、卸売・小売企業、サービス業、建設業など業種を問わず様々な業種から被害の報告がされています。

この資料では上記のような中堅・中小企業の取り巻くサイバーセキュリティの課題とその対策を支援するCybereason Simple Securityをご紹介いたします。
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