~「検知」への投資は進む一方、資産やアタックサーフェイスの把握が不十分 
可視化できていない資産から侵入へ~ 

AI(人工知能)を活用したサイバー攻撃対策プラットフォーム「Cybereason」を国内向けに提供するサイバーリーズン合同会社(A LevelBlue Company/本社:東京都中央区、代表執行役員社長:桜田 仁隆、以下、サイバーリーズン)は本日、企業のセキュリティ準備態勢における弱点実際の被害現場における状況を明らかにするため、国内405社を対象としたセキュリティ成熟度ベンチマーク診断の結果を発表しました。あわせて、同社グローバルSOCGSOC*1)がMDR*2Managed Detection and Response)サービスを提供する国内顧客企業の環境で観測した2026年上半期のインシデント分析結果を発表しました。 

両調査に共通して浮かび上がったのは、日本企業がEDREndpoint Detection and Response)などの「検知」や「防御を担うツールへの投資を進めている一方、自社の資産やアタックサーフェス(攻撃対象領域)を「特定」する力が著しく低いという構造です。攻撃者は、この企業側が把握しきれていない領域すなわち「侵入経路の死角」を正確に突いて侵入していることがわかりました。 

サイバーリーズンは本調査結果を、日本企業のセキュリティ課題が「ツール導入の問題」から「組織とプロセスの問題」へ移行したことを示すものと位置づけています。  

*1 GSOC(Global SOC):世界中の脅威データをリアルタイムで分析・監視するサイバーリーズンの統合セキュリティオペレーションセンター。 
*2 MDR:EDR等のログを常時監視し、脅威の検知から対応・復旧までを支援する管理型サービス。 

本調査レポートのポイント 

攻撃者のほうが企業より自社資産を把握している「非対称性」

セキュリティの成熟度診断は、米国国立標準技術研究所(NIST)の「サイバーセキュリティフレームワーク(CSF2.0」を評価軸として、企業の担当者自身が設問に回答することで、「統治」「特定」「防御」「検知」「対応」「復旧」の6機能ごとの対策状況を5段階のレベル*3で数値化するものです。本調査は、20251025日~202686日に国内405社を対象として行いました。 

調査の結果、異常の発生を特定するための適切な活動が行われているかを示す「検知(DETECT)」のスコアは平均2.86、情報を保護するための適切な防御策ができているかを示す「防御(PROTECT)」平均2.56となりました。一方、自社の公開資産やアタックサーフェスを把握できているかを示す「特定IDENTIFY)」は平均1.99にとどまり、6機能のなかで最も低い水準でした。 

ここから浮かび上がるのは、EDRや次世代アンチウイルスを入れて守っているつもり」でありながら、守るべき対象そのものを把握できていないという逆転構造す。攻撃者にとっては、企業が認識していない資産こそが最も攻撃しやすい入口となります。 

*35段階評価の定義 
レベル1 (初期): 対策は場当たり的、未導入で、インシデントに備えた準備がない 
レベル2 (属人化): 基本的な対策は実施済み。ただし手作業が中心で、担当者個人に依存 
レベル3 (定義): 方針が文書化され、多要素認証やEDRなどの対策が標準化されている 
レベル4 (管理): 24時間の監視体制を整備し、対策状況を数値で測定・自動化 
レベル5 (最適化): AIによる予測や動的な制御を行い、事業継続計画と一体で統合されている 

全体の半数超の企業の対策が属人的

インシデント発生時の対応態勢についても調査したところ、全体の半数を超える51.6%が、基本的な対策は実施しているものの、手動や属人的な運用にとどまる「レベル2(属人化)」に滞留している実態が明らかになりました。さらに、検知されたインシデントに対してアクションを取る「対応(RESPOND)」のスコアは平均2.04、その後回復力を維持して機能を修復する「復旧RECOVER)」は平均2.16と低い結果となりました。ここから、各企業において定石の製品は導入したものの、全社共通の運用手順定義やインシデント訓練が行われていない状態だと推測できます。 

また、この数値は、インシデント発生時の連携や復旧手順が担当個人のスキルに依存しており、組織として機能していない構造的な限界示しているといえます。実際のインシデント対応現場でも、ログや資産リスト・構成図がないために遮断すべき機器が判断できず全拠点停止を余儀なくされる、「業務を止める権利」を持つ責任者が不明確で判断が遅れる間に被害が全社へ拡大する、といった事象が確認されています。 

最後に、自社の公開資産やアタックサーフェスを把握できているかを示す「特定IDENTIFY)」スコアを回答者の所属部門別に見ると、事業現場部門は平均2.57、情報システム部門は平均1.86で、0.71ptの開きがありました。実態を把握している情報システム部門ほど自社を厳しく評価しており、この差は現場の対策が進んでいることを示すものではなく、両者の認識のずれを表しています。 

緊急インシデントの4分の1は「EDR未導入端末」が起点

サイバーリーズンのGSOC20261月から7月にかけて、MDRを提供する国内企業の環境で観測した、重大な被害に至る恐れのあった事案について根本原因を分析しました。その結果、「EDRを導入済みでありながら、一部のEDR未導入端末が攻撃された」ケースと「外部公開サーバーの脆弱性を突かれた」ケースがそれぞれ25.0%と、最も多い侵入要因となっていました。 

根本原因  割合 
EDRを導入済みでありながら、一部のEDR未導入端末が攻撃された  25.0% 
外部公開サーバーの脆弱性を突かれた  25.0% 
ネットワーク機器経由(VPNなど)  16.7% 
遠隔管理ツール  16.7% 
フィッシング  8.3% 
その他  8.3% 

上記の結果から、EDRを導入済みの企業であっても、他のEDR未導入端末が侵入の足がかりになっている実態が確認されました。GSOCが現場で見た「死角」の背景は、主に次の3つに整理されます。 

  • IT資産管理の把握漏れ:部署が独自に購入した端末、開発・テスト用に立ち上げられ放置された「野良サーバー」、M&A先や海外子会社の端末、退職者の放置端末など、管理者が存在自体を知らないケース
  • 技術的・契約上の制約:工場(OT環境)の計測器、医療機器、POSレジなどで動くレガシーOS、サードパーティ製ソフトを入れるとベンダーサポート対象外になる専門機器など、リスクは把握していても物理的に導入できないケース
  • 外部・委託先の持ち込み端末:業務委託先や保守ベンダーが持ち込む作業用PCなど、社内ネットワークに接続されるが自社の管理権限が及ばないケース

インシデント環境には旧世代OSが残存

国内のMDR顧客のWindows一般端末のバージョン分布を比較すると、日本拠点全体ではWindows 1193.9%Windows 105.8%であるのに対し、米国とEMEAも含めた全世界でインシデントに遭った環境ではWindows 1028.0%Windows 71.3%残存しており、旧世代OSの比率が顕著に高くなっていました。 

サーバーについても、インシデントに遭った環境ではWindows Server 201948.1%201616.9%を占めています。Windows Server 2016以降はMicrosoftのサポート期間内ですが、その上で動くソフトウェアやミドルウェアが先にサポート終了となれば、システム全体としての防御力は低下します。 

※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がございます。 

担当責任者のコメント 

有賀 正和 サイバーリーズン合同会社 執行役員 セールス・エンジニアリング統括本部のコメント:
405社の診断データが示したのは、日本企業のセキュリティが「ツール導入の問題」から「組織とプロセスの問題」へ移行したという事実です。検知が2.86、防御が2.56である一方、特定は1.99にとどまりました。守る道具は揃えたが、守るべき対象を把握できていないという非対称な状態にあります。さらに、半数を超える企業が有事の対応・回復を個人のスキルに依存する「レベル2の壁」に滞留し、事業現場と情報システム部門の間には0.71ptの認識ギャップが存在します。この分断がある限り、情報システム部門の危機感は経営層に届きません。次の一手は新しい製品の導入ではなく、資産の可視化と、有事に誰が何を判断するかを定めた組織的なプロセスの整備です。   

渡邊 弘実 サイバーリーズン合同会社 グローバルSOC シニアマネージャーのコメント:
2026年上半期に観測した重大インシデント寸前の事案を分析すると、その4分の1がセンサーの入っていない端末を起点としていました。攻撃者は高度な手法を使うまでもなく、企業が存在を忘れた野良端末や、管理の及ばない持ち込みPCという見えていない場所から入ってきます。見えていないものは守れません。加えて、フロンティアAIによって脆弱性の解析から攻撃コード作成までの時間が数分~数時間まで短縮された今、パッチ公開から侵入試行までの猶予は事実上なくなりつつあります。資産の棚卸しと積極的なアップデート推進、および定期的なセキュリティ診断や侵入テストによる死角の洗い出しを、平時のうちに実施していただきたいと考えています。 

  

【本調査対象について】 

調査概要 

1】セキュリティ成熟度ベンチマーク診断
調査主体:サイバーリーズン合同会社
調査期間:2025年10月25日~2026年8月6日
有効回答数:405社(n=405
回答者の所属内訳:情報システム部門 70.9%、経営企画・DX推進部門 7.7%、営業・事業・現場部門 7.2%、セキュリティ専門部門 5.9%、総務・人事・管理部門 5.2%、経営層・役員 3.2%
回答企業の業種内訳:製造 27.2%IT・情報サービス 24.4%、流通・小売・飲食 15.3%、金融・専門サービス 13.8%、建設・インフラ・不動産 8.4%、放送・メディア・出版 6.2%、医療・教育・公共 4.7%
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がございます。 

2】グローバルSOCGSOC)インシデント観測データ
調査主体:サイバーリーズン グローバルSOC
調査期間:2026年1月~2026年7月
調査環境:日本を本拠点とするMDR(Managed Detection and Response)顧客環境
調査対象:重大なセキュリティインシデントへ発展するおそれのあった事象
※OSバージョン分布は、サンプリングして取得したデータに基づきます。   

本調査に関するお問い合わせ  
本キャンペーンの詳細については、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。 
お問い合わせフォーム: https://www.cybereason.co.jp/contact/ 
※お問い合わせの際は、フォームの自由記述欄に「国内調査結果」とご記載いただくとスムーズにご案内が可能です。  

サイバーリーズンについて
サイバーリーズンは、米国に本社を置き、40カ国以上に顧客を持つ非上場の国際企業で、エンドポイントやクラウドなど企業のエコシステム全体を標的にしたサイバー攻撃を終息させるため、XDREDREPPソリューションとMDRサービスなどのセキュリティサービスを提供しています。
Cybereason Defense Platformは、進化し続けるランサムウェア攻撃や高度な攻撃手法に対して圧倒的な防御、検知、対応能力をお客様に提供するとともに、すべてのデバイス、ユーザー、システムへの一連のサイバー攻撃をコンテキストに富んだインテリジェンス(MalOp)として比類のない速度と精度で可視化することで、サイバー脅威データをビジネスにおける実用的な意思決定手段に変えることができます。 

サイバーリーズン合同会社 会社概要 
社 名:サイバーリーズン合同会社
設立日:2016年3月9日
代表執行役員社長:桜田 仁隆
所在地東京都中央区京橋1-17-10 京橋 One Terrace 8
事業内容:サイバー攻撃対策プラットフォーム「Cybereason」の日本市場での提供およびそれに付帯する事業
URL: https://www.cybereason.co.jp
お問い合わせ先: https://www.cybereason.co.jp/contact/