導入事例:株式会社鹿児島放送

テレビ局のDX環境は
サイバーセキュリティなしでは語れない

社内のDXを加速させる方針のもと、社員が幅広いITツールを安全に利用できる環境づくりが急務となりました。従来のウイルス対策ソフトとファイアウォールだけでは、可視性や即応体制の面で十分ではないと判断し、EDR・MDR・NGAVを中核とした体制へ移行しました。DX推進とセキュリティ強化は表裏一体であるとの共通認識が、経営層の理解を後押ししました。

株式会社鹿児島放送

株式会社鹿児島放送

概要
1982年4月1日設立 従業員数90名(2025年3月31日現在)
鹿児島県に本社を置くテレビ朝日系列の放送局として、ニュースや番組制作を通じて情報を発信。東京・大阪・福岡・奄美の拠点と連携しながら、動画配信やアプリ開発にも取り組み、放送を軸とした幅広いメディア展開を行っています。
対象エンドポイント数
約300台
導入製品・サービス
Cybereason EDR / Cybereason NGAV / Cybereason MDR

DX推進とともに求められたセキュリティ強化

技術局 情報システム部長・放送技術部・総務部・ネットメディア担当 上野 真一 氏

技術局 情報システム部長・放送技術部・
総務部・ネットメディア担当

上野 真一 氏

放送局として、ニュースや番組制作の現場では、多種多様なITツールの活用が欠かせません。利便性を高める一方で、セキュリティリスクも同時に拡大していきます。従来はウイルス対策ソフトとファイアウォールによる防御で十分と考えられてきましたが、DX推進の加速に伴い、それだけではリスクを抑えきれないという認識が広がりました。「社員一人ひとりが幅広くITツールを使うためには、振る舞い検知のような新しいセキュリティ対策が不可欠だと考えました」と上野氏は語ります。経営層にもDX推進とセキュリティ強化は表裏一体であることを説明し、EDRとMDR導入が具体的に検討されるようになりました。

SOCを含む統合的な提案が導入の決め手

導入の大きな決め手となったのは、EDRとMDRに加えてSOCサービスが一体的に提供されていたことでした。外部からの攻撃が起きた場合でも、社内で即座に対応できる人材が限られている状況では、24時間の監視と迅速な隔離・分析を担うSOCの存在は心強いものです。「万一のときにすぐ隔離し、必要に応じて分析や検体収集まで担っていただける体制は、当社の規模に合った理想的な仕組みだと感じました」と上野氏。さらに管理画面の操作性も高く、感染経路や挙動を直感的に把握できる点は、導入後の安心感にもつながりました。費用面でも柔軟なプラン設定が可能だったことから、他社との比較検討は最小限にとどまり、導入が決断されました。

運用負荷の軽減と可視性の向上

技術局 情報システム部 副部長・放送技術部 竹ノ内 佳祐 氏

技術局 情報システム部 副部長・放送技術部

竹ノ内 佳祐 氏

EDRの導入効果として、まず大きかったのは運用負荷の軽減です。「従来はオンプレ型の製品を使っていたため、バックアップやバージョンアップ、ライセンス更新などで多くの手間が発生していました。クラウド基盤に切り替えたことで、それらの負担がほぼなくなりました」と竹ノ内氏は語ります。さらに、端末が社外にあってもインターネットに接続されていれば監視できるようになり、記者やスタッフが外出先で利用するPCの安全性も確保できるようになりました。これにより「いざというときの備えができている」という安心感を、部門全体で共有できています。

「放送を止めない」ための今後の展望

同社が常に念頭に置いているのは「放送を止めない」という使命です。上野氏は「テレビ局の一番の目的は放送を止めないことです。そのためにセキュリティをどう拡張していくかは継続的に考える必要があります」と強調します。今後はWebサーバーのセキュリティ強化としてWAF導入やクラウド移行を検討しているほか、放送系や報道支援系のネットワークにまでEDRの適用を広げる構想もあります。従来はクローズドな環境を前提としてきましたが、リモート利用や部門間のデータ連携が進めば、新たな「関所」の設計が必要になります。将来的にはXDRの活用も視野に入れ、可視性と即応力を備えた体制づくりを進めていく方針です。

Reason Why

  • SOCを含む統合的な提案による即応体制
  • クラウド基盤による運用負荷の軽減
  • 自社規模に合わせた柔軟なプラン設定
  • 感染時の挙動を可視化できる管理画面の操作性

Q&A

経営層の理解を得るために工夫したことはありますか?

DX推進にはセキュリティ強化が不可欠であることを説明し、導入の必要性を理解いただきました。

Cybereason EDR導入で最も効果を実感している点はどこですか?

クラウド基盤により、場所を問わずリアルタイムに監視できる点です。端末が社外にあっても安心できることは、運用面で非常に大きなメリットです。

今後のセキュリティ運用で注力したいことはありますか?

Webサーバーや放送系ネットワークの防御をより強化していきます。統合的な監視やログ分析を進め、業務を止めない体制づくりを目指します。

課題と導入の効果

  • Before社外に持ち出した端末は監視できず、感染リスクを把握しきれない
  • Afterクラウド基盤により社外でも常時監視が可能になり、可視性が向上した
  • Before社内に専門人材が少なく、万一の対応に不安が残っていた
  • AfterSOCの24時間体制で迅速な隔離・分析が可能になり、安心感が高まった
  • Before運用管理に多くのリソースを割いていた
  • Afterバージョンアップや更新の負担が解消され、運用が効率化した

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